夫婦それぞれが子を監護している場合の婚姻費用・養育費

婚姻費用・養育費の算定には算定表を用いますが、算定表は権利者(婚姻費用等を受け取る側)のみが子を監護している場合を前提としています。

そのため、別居後、夫婦それぞれが子を監護している場合の婚姻費用等を算定する場合には算定表を修正する必要があります。

算定表の仕組みは、大まかに、双方の税込収入から必要経費等を除きそれぞれの基礎収入を算定し、それぞれの世帯の生活指数に応じてそれを分配する、というものですので、夫婦それぞれが子を監護している場合には、義務者(婚姻費用等を支払う側)世帯の生活指数を修正することになります。

算定表では、親の生活指数は100、子の生活指数は62(子が0~14歳)または85(子が15歳以上)とされていますので、義務者世帯の生活指数に子の生活指数を加えて計算をします。

具体的なケースでみてみましょう。
夫年収500万円、妻年収100万円、6歳と3歳の子がいるというケースを想定します。
妻が子2人を連れて別居した場合の婚姻費用は月額10~11万円となります。
一方、1人が夫のもとに残り、もう1人を妻が連れて別居した場合の婚姻費用は月額6~7万円となります。

算定表に修正を加えるか否かにより相当程度の差が出てきますので、双方が子を監護しているにもかかわらず、修正なしの算定表に基づく婚姻費用等の請求をされているという場合には一度弁護士にご相談されることをお勧めいたします。