離婚をしたい女性(妻)が離婚を決意する理由とは何か?女性(妻)側からみる離婚の原因について弁護士が解説していきます

当事務所では、離婚についてのご相談を承る際、離婚の原因(離婚したい理由)について、ご相談票にご記入いただいていますが、やはり「性格の不一致」というのが多いように思います。

また女性(妻)側からですと、男性(夫)からの精神的虐待(モラハラ)も理由として挙げられることが多い印象です。

そこで、以下のコラムでは、女性(妻)側からみた離婚の原因について、解説していきたいと思います。

離婚の原因

性格の不一致

性格の不一致

先にも述べましたが、離婚の原因として多いのは、「性格の不一致」です。

結婚してから初めて気づいた夫の言動や、結婚前や結婚後しばらくは気にならなかった事柄が、何かをきっかけに気になるようになったり、我慢できなくなったりしたということをよく聞きます。

「性格の不一致」として、さらに具体化すると以下のようなものが多くあります。

・生活習慣や衛生管理の考え方の違い
・金銭感覚の違い
・子の教育方針の違い など

モラハラ

モラハラ

また、女性が夫と離婚したい原因として挙げる事柄で多いものに、「夫のモラハラ」というのもあります。

過剰に怒られることや、人格を否定されたり、妻側の家族を悪く言われたりなどがあります。

その他、話しかけても無視されるなど、そもそも言葉のキャッチボールができないというケースもあります。

夫からのモラハラが日常的にあると、妻は怯えながら生活する毎日となってしまいます。

「性格の不一致」や「モラハラ」が離婚の原因となるか?

「性格の不一致」や「モラハラ」が離婚の原因となるか?

それでは、「性格の不一致」や「モラハラ」を理由に離婚したいと考えたときに、それらが、「法的な意味での離婚原因」にあたるでしょうか。

もちろん、協議や調停で、夫と離婚することに合意ができれば、離婚できます。

一方で、協議や調停では話し合いがまとまらなかった場合には、離婚訴訟に発展することになりますが、その場合おさえておいて頂きたいのは、民法上の離婚原因です。

民法で認められている離婚事由は、以下の5つの場合しかありません。

①配偶者に不貞行為があったこと

②配偶者から悪意で遺棄をされたこと

③配偶者の生死が3年以上明らかでないこと

④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないこと

⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があること

つまり、離婚訴訟になった場合、以上の5つの理由がなければ、離婚は認められないということです。

裁判になった場合、「性格の不一致」や「モラハラ」という理由は、①~④に明記されているわけではないため、⑤の理由の一つとなりますが、そうすると、それだけでは直ちに民法上の離婚原因があるとまではいえないと場合があります。

では、どうすれば離婚原因として認められるでしょうか。

ポイントは、「離婚の原因の証拠をおさえる」ということです。

離婚の原因の証拠

離婚の原因の証拠

裁判官に離婚の原因として認定してもらうためには、夫と性格の不一致が生じている具体的場面や夫のモラハラ行為などの証拠を確保しておくことがとても大事になります。

特に写真や動画などの客観的な証拠がベストです。

別居について

別居について

性格の不一致やモラハラなどの証拠確保が大切であることはもちろんなのですが、それ以上に、別居が可能であれば別居してしまうというのも一つ大きな証拠になります。

別居ということは、それ自体が、夫と生活を全く別にしていること、つまりは夫と婚姻関係が破綻するに至っている客観的証拠になります。

別居により経済的負担等が生じることもあって、中々難しい場合もあるかもしれませんが、裁判所で認められる離婚の原因として、一番重視されているファクターと言っても過言ではありません。

なお、別居後も、夫に対して婚姻費用(生活費)を求めることは可能ですので、請求するようにしましょう。

離婚するための3つの方法

離婚するための3つの方法

さいごに、離婚原因がある場合の離婚する方法として、具体的にどのような方法があるか見ていきます。

離婚の方法は、「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の3つしかありません。

通常は、協議離婚→調停離婚→裁判離婚の順番で検討していくことになります。

協議離婚

これは夫と離婚について、話し合いを行うことです。

費用や手続などはかからず柔軟に(自由に)話し合い可能ですが、夫と直接話をしないといけないという点で、感情的な言い合いになってしまうなど、精神的負担がかかる可能性があります。

調停離婚

上記協議離婚と下記の裁判離婚の中間的位置にある制度と言ってもよいでしょう。

協議離婚の良い点と裁判離婚の良い点それぞれをあわせもちます。

つまり、協議の持つ柔軟性や費用の低廉性と、裁判の持つ第三者(裁判所)介入性により、夫と顔を合わせることなく、柔軟にかつ費用を抑えて話し合いができます。

裁判離婚

調停と同じく、家庭裁判所を利用する(最終的に裁判官が離婚か否かを判断する)方法ですが、調停とは異なり厳格な手続となります。

時間や費用もかかります。

また、いきなり裁判はできず、必ず調停を行い、調停が不成立(調停で話し合いが不調に終わること)にならなければ、申立てできません。

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■この記事を書いた弁護士
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 小野塚 直毅
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