
「モラハラ」とは「モラルハラスメント」の略で、殴る・蹴るといった物理的な暴力ではなく、言葉や態度によって相手の尊厳や心を傷つける行為を指します。モラハラ夫との婚姻を続ける悪影響、離婚をする準備について詳しく解説します。
モラハラの定義と特徴

モラハラは、相手の人格や尊厳を傷つける言動の総称です。加害者は、優位な立場や関係性を利用し、相手を精神的に支配しようとします。殴る・蹴るといった外傷は残りませんが、被害者の心には深い傷を残し、うつ病やPTSDなどの精神疾患を引き起こすこともあります。
モラハラの特徴
継続性
一度きりではなく、繰り返し行われることが多い
支配性
相手を自分の思い通りにコントロールしようとする
隠蔽性
周囲からは見えにくく、被害者が孤立しやすい
加害者の無自覚
加害者が「いじめている」自覚がない場合も多い
家庭内でのモラハラの具体例
家庭内、特に夫婦間や親子間で起こりやすいモラハラには、以下のようなものがあります。
人格否定
「お前はダメなやつだ」「何をやっても無駄だ」など、相手の存在価値を否定する
言葉・無視・嫌み
会話を遮断したり、ネチネチと嫌みを言い続ける
束縛・監視
相手の行動を異常に管理し、自由を奪う
子どもの利用
子どもに配偶者の悪口を吹き込むなど、家族関係を悪化させる
経済的支配
生活費や金銭の管理を異常に厳しくし、相手の自由を奪う
こうした行為は、被害者の自尊心を傷つけ、心身の不調を引き起こす原因となります。
モラハラ被害の影響

モラハラの被害は、目に見えない分、深刻な影響を及ぼします。
自尊心の低下
自分に自信が持てなくなり、自己肯定感が低下する
精神疾患
うつ病や不安障害、PTSDなどを発症するリスクが高まる
人間関係の悪化
家族や友人、同僚との関係が悪化し、孤立しやすくなる
身体的な不調
ストレスから頭痛や不眠、胃腸障害などを引き起こすこともある
モラハラ被害者ができる法的対処

モラハラ被害に遭った場合、法的な対応も可能です。
離婚請求
モラハラが重い場合、「婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚が認められることがあります。証拠が重要なので、録音やLINEの記録、日記などで証拠を残しましょう。
慰謝料請求
モラハラは不法行為にあたり、慰謝料を請求できます。慰謝料の相場は数十万~100万円程度ですが、長期間の被害や精神疾患の場合は高額になることもあります。
保護命令
DV防止法に基づき、加害者への接近禁止命令を請求できる場合もあります。
モラハラ被害で証拠を残すコツ

モラハラ被害を法的に訴えるには、証拠収集が不可欠です。以下の方法が有効です。
録音
暴言や説教をICレコーダーなどで録音する
メール・LINEの保存
嫌がらせの内容をスクリーンショットやバックアップで残す
書類やメモの保管
束縛や指示の内容が書かれた書類を捨てずに保存する
日記
日々の出来事を詳細に記録する
SNSの保存
誹謗中傷があれば画面を撮影する
医師の診断書
心身の不調があれば、病院で診断書をもらう
モラハラ被害に遭ったら~相談先と支援機関~

モラハラ被害に遭った場合、一人で抱え込まず、必ず専門家や支援機関に相談しましょう。
弁護士
法的な対応や慰謝料請求について相談できる
カウンセラー
心のケアやストレス解消のための相談ができる
自治体の相談窓口
DVやモラハラに関する相談を受け付けている
NPO・民間団体
匿名で相談できる団体も多い
モラハラ被害で大切な「戦う意思」

どんなに制度が整っていても、被害者が「戦う意思」を持たなければ、事態は改善しません。モラハラは決して許される行為ではありません。あなたの尊厳を守るため、勇気を持って行動しましょう。まずは信頼できる人や専門家に相談することが第一歩です。
まとめ

モラハラは目に見えない暴力ですが、被害者の人生を大きく左右します。「おかしい」と感じたら証拠を残し、早めに相談・対処することが大切です。あなたの心の健康を守るために、一人で抱え込まず、ぜひ周囲や専門家の力を借りてください。あなたは一人ではありません。勇気を持って一歩を踏み出しましょう。
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