離婚の相談を受けていて、しばしば、「妻が家事をしないから離婚したい」という理由を聞くことがあります。

夫としては、仕事をしながら、家では妻が家事をせず、子どもの面倒も見ず、夫が一手に引き受けて家事を行うことに大きな不満を持ち、それを妻に対して叱責し続けることで夫婦仲が悪くなり離婚を決意する、という経過をたどるケースが多いように感じます。
もちろん、夫婦間の同意が得られれば、このような状況下で夫婦仲が険悪になり、夫婦がお互いに離婚しようとする意思が合致した場合には、協議離婚、離婚調停という方法で離婚することができます。
しかし、離婚訴訟で争う場合には、民法770条1項各号の離婚原因にあたると認められることが必要です。
特に、訴訟で最もよく主張されるのは、第5号の「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるかどうかです。
そして、「婚姻を継続し難い重大な事由」とは、一般に、婚姻関係が破綻し、回復の見込みがない状態になっていることとされています。
近年では、夫は仕事をし、妻は家を守る(家事をする)、妻だけが家事をするべきであるという価値観は廃れてきています。
そのため、裁判官も、妻の家事放棄のみをもって、婚姻関係が破綻していると認めることは少ないようです。
妻が家事をしないことで離婚に至っているケースをみると、別居を開始し、ある程度の年数が経過する状態に至っているケースが少なくありません。
反対に、不満がありながらも夫婦が同居していれば、家事をしないという理由のみから、婚姻関係が破綻している、とまで認められることは少ないでしょう。

もっとも、夫の仕事が激務で家事をできないにもかかわらず、専業主婦の妻が家事を放棄し、夫が冷静に妻に対して改善を求めたところを妻が激高する、というような状況が長期にわたって続いている事情がある場合には、その事情を客観的資料に基づいて証明することができれば、婚姻関係の破綻が認められる可能性もあるでしょう。

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