紛争の内容
依頼者である妻は夫から理不尽なモラハラ行動を受け続け、子を連れて別居を開始しました。
すると、夫は妻が子を誘拐・拐取したと主張し、裁判所に子の監護者指定・子の引渡しを求める審判を申し立ててきました。
交渉・調停・訴訟等の経過
夫側は、妻が子どもを連れ去った・自分こそが監護権者として適切だ、とばかり主張してきました。そこで、こちらは多数の客観的な証拠資料を用意していたため、子の監護権者としての適正を欠くという証拠に基づく主張をしていきました。
その中には夫の度を超えたモラハラ行為を示す資料も多数含まれていたため、説得力ある主張をすることができました。
また、家庭裁判所調査官調査においては、余計な細工などせず、ありのままに子どもが母親と暮らしたがっている・子の意思に基づいて父方を離れたのだという事情を明らかにすることができました。
本事例の結末
夫が圧倒的に不利になりながら、夫側は不合理な主張を続けるに至りました。そこで、調停を不成立として即座に審判移行してもらい夫の請求が認められないとの結末を迎えることができました。
本事例に学ぶこと
子どもを巡る離婚事件は感情的に熾烈なものとなります。感情論ではなく、客観的な証拠資料に基づいた主張を丁寧に行っていくことで依頼者である妻にとって最良の結果を迎えることができました。
弁護士 平栗 丈嗣