紛争の内容
依頼者は夫と離婚を考えていましたが、諸事情がありまだそこまで決心はしていませんでした。

そこで、別居を開始してから、夫からの婚姻費用の支払いを求めていくことを望んでいましたが、夫は払うと言ったり払わないと言ったり、離婚すると言ったり離婚しないと言ったり、その他でも精神的にも不安定な点があり、きちんといざというときに強制執行ができる約束をする必要がありました。

交渉・調停・訴訟等の経過
公正証書化することも検討しましたが、夫が公証人役場に任意に現れるか分からないことや、費用が多額であることから、婚姻費用分担請求調停を申し立てて調停調書を作る方法を採ることにしました。

事前に交渉を進めておき、婚姻費用分担請求調停申立てにあたって、裁判所書式ではない訴状のような申立書を提出し、調停条項案まで全て作成してお膳立てした状態で期日に臨みました。

本事例の結末
裁判所からの期日通知書が届いたことで、夫も無視はできないと考えたのか、きちんと調停期日に出頭しました。そして、事前に全て作っていた調停条項案どおりの調停調書ができあがるに至りました。

本事例に学ぶこと
法的な目的達成には様々な方法があります。
現状を把握し、どのような方法を採ることが、確実か・早いか・費用面での負担にならないか、十分に検討したことで、依頼者にとって最善の手順で最善の結果を得ることができました。

弁護士 平栗 丈嗣