紛争の内容
依頼者は、子どもを産んで間もなく夫と別居を開始しました。
離婚調停と同時に婚姻費用分担請求調停を申し立てたものの平行線のままうまくいかず、ご依頼されるに至りました。
交渉・調停・訴訟等の経過
依頼者の収入資料は、育休に入る前の源泉徴収票と、育休に入ってからの育児休業給付金と、育休明けの時短勤務での給与明細と、完全復帰後の給与の見込額と、複数存在しており何をどう基準としていくか混乱と主張の対立が生じていました。
ご依頼をいただいた段階では育休明けの段階に来ており、まだまだ資料も不足した状態でした。
そこで、婚姻費用という現在の生活保持義務を果たす役割のものであることを主張し、そうすると現時点の時短勤務の収入こそが期待値ではなく現実の値であり、当面これを基準とするべきと主張しました。
本事例の結末
時短勤務中の給与明細を基にして、これを1年分にしたらどうなるかという金額で仮定した年収を算定し、婚姻費用を得ることができるようになりました。
本事例に学ぶこと
小さいお子さまがいらっしゃると、目まぐるしく収入が変わり、また、今後の収入の見通しが分からないことがまま見られます。
個々の事案によって全て異なるものですので、今後の見込みを踏まえた現実的・説得的な主張ができるよう相談して最善の結果を得られるように心がけています。
弁護士 平栗 丈嗣