紛争の内容
依頼者は独自のこだわりを持つ夫との生活に限界を感じ子を連れて別居を開始しました。しかし、離婚に伴う諸問題の話し合いが全くできず、弁護士に相談するに至りました。
交渉・調停・訴訟等の経過
どうにも話し合いができないため、離婚調停を申し立てました。
子の監護に関する費用(養育費)と財産分与が大きな争点になり、夫はここでも強い独自のこだわりを見せたために解決の糸口が見えない状況でした。訴訟になればこちらに大幅に有利な内容になることは見えていたものの、長期戦が予想されました。
そこで、何を優先したいのか、何を譲歩しても良いのか、時間をかけて整理していきました。そこで、子の監護に関する費用の確保を最優先にし、他の争点を譲歩して早期解決を目指すことにしました。
本事例の結末
不透明で時間がかかる財産分与の争点をある程度譲歩し、子の監護に関する費用(養育費)についてはこちらの主張を受け入れる形で調停離婚が成立しました。
本事例に学ぶこと
離婚事件の解決の方法は一つではありません。離婚に伴う争点全てを徹底的に白黒はっきりさせるのも一つですし、費用・時間・精神的労力を踏まえて譲れるものと譲れないものを区分するのも一つです。弁護士と依頼者とで時間をかけて何を目指すかをじっくりと検討していき、「この事件で」依頼者にとって一番良い結果を得ることができました。
弁護士 平栗 丈嗣