紛争の内容
10年以上にわたり配偶者が不貞を続けていたことが発覚した、その後、しばらく別居をしていたが、最近になって配偶者が離婚調停を申し立ててきたとのご相談でした。
配偶者は不貞を認めており、こちらも条件によっては離婚を考えてもよいということであったため、調停事件の代理人として受任しました。
交渉・調停・訴訟などの経過
調停に出席して配偶者側の提示する離婚条件を確認しました。
配偶者側は財産開示する、こちらの財産開示は求めない、その上で財産分与+慰謝料の条件を考えているということでしたが、納得できる水準ではなかったため、慰謝料増額の検討を求めました。
次の調停において多少の増額提案がありましたが、まだこちらが求める水準には届かなかったため、こちらから慰謝料500万円を支払ってくれるのであれば離婚してもよいと逆に提案しました。
本事例の結末
支払方法は分割になりましたが、こちらが提示する総額を支払って離婚することを内容とする離婚調停が成立しました。
本事例に学ぶこと
配偶者の不貞が原因で別居や離婚に至った場合、配偶者は有責配偶者と評価されるため、自らの希望で離婚することが難しくなります。
離婚ができない限り配偶者は婚姻費用の支払いを継続しなければならないため、早期に離婚するためにはそれなりの金銭条件を提示する必要が出てきます。
金銭条件が折り合えば離婚をすることはできますが、相手がどこで納得するかは事案により異なるため、有責配偶者が離婚しようとする場合には困難がつきまとうということを理解しておく必要があります。
弁護士 吉田 竜二