紛争の内容
 依頼者であるAさんは,夫であるBさんから間接的な暴力(物を投げる等)を受け,またBさんから家を出るように言われ,お子さんと実家に帰省しました。しかし,その後,Bさんからは復縁を強く求められるなどしました。
 Aさんとしては,もはやBさんを信頼できないと考え,離婚を決意されて,弁護士に調停申立を依頼されました。

交渉・調停・訴訟などの経過
 まず,別居後に婚姻費用が支払われていなかったので,離婚するかどうかにかかわらず,速やかに婚姻費用分担請求をした方が良いと考えました。そこで,速やかに,婚姻費用分担請求調停と離婚調停と家庭裁判所に申し立てました。
 その上で,調停委員に対しては,まずは婚姻費用の支払を優先するように求め,客観的資料とともに合理的な主張を行いました。

本事例の結末
 2回の調停期日に,未払婚姻費用の支払や適正妥当な養育費の支払などを条件とすることができ,早期の離婚という解決を得ることができました。
 
本事例に学ぶこと
 調停事件では,相手方の説得という側面と,そのための手段として調停委員に主張を理解,納得してもらうという側面とがあります。どんなに主張を強く申し立てたとしても,調停委員に納得してもらえないと,優位に協議を進められないケースもあり得ます。
 弁護士が代理人になった場合,訴訟を見越しつつ,できるだけ客観的な根拠に基づき,適正妥当な主張をすることができますので,調停委員の理解も得られやすく,早期の離婚が可能となることがあります。