妻の代理・・・依頼を受けてから離婚成立(高等裁判所の判決)まで約3年

妻 50代後半、訪問販売にて一定の収入あり
夫 50代後半、ほとんどの生活を海外で過ごす会社員
子 独立済み

夫は、仕事の都合から一年間のうち半年以上を海外で過ごしていました。婚姻してから20年以上経過した頃、妻の親の体調が優れなかったにもかかわらず、夫は妻に親への見舞いを許さず、結局妻は親の死に目に会えなかったという事件が発生し、これを契機に夫婦間に亀裂が入り夫婦喧嘩が絶えないようになりました。

夫婦喧嘩の際、夫から暴力がふるわれ、妻は胸部等を骨折し2か月以上の入院をするほどの怪我を負って、後遺症が残ってしまいました。

この暴行事件以降、夫婦は別居が続き調停等もなされましたが、不調に終わったため、夫から離婚訴訟が提起され、妻もこれに対し反訴を提起することとしました。妻は、反訴として、離婚とこれまでのDV被害に対する損害賠償を請求しました。控訴審まで争った末、高等裁判所で下記のような判決が下されて、離婚が成立しました。

■財産分与 夫→妻 約2000万円
※ 財産分与は、夫の海外勤務が長く、もともと高収入であったために財産形成に大きく寄与している半面、妻も主に家庭にあって家事や育児に取り組んでいたことから、形成財産の約3割を妻に支払うという判決が出されました。
■慰謝料(離婚に伴うもの)夫→妻 約300万円
■損害賠償(DVに基づく逸失利益等)夫→妻 約1500万円